ログ 2017/12/15
やったこと
・TCHとにらめっこ(式が理解できていないので進んでおらず)
明日やること
・渡航費などのリサーチとまとめ
・企画ブラッシュアップ
・TCH読解
・2haを理解する旅に出る(サイクロイドとインボリュートの理論学習)
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知ったこと
・TCHの、2ha=2.8とは何だったのか?
対カナが11~20の時の係数。
だからcoefficientというわけか。
この辺の理解にはインボリュートやサイクロイドの勉強が必要らしい。
・NIHS (Normes de l'Industrie Horlogère Suisse)
スイスの時計歯車製造用の規格。
Traité de Construction Horlogèreを読む際はこれに準拠するため、
日本の一般的な歯車規格とは異なるということを知った。
→TCHで登場したNIHS20-02は、付属CDのエクセルファイルに記載があった。
要確認&理解。
・歯車規格の本について
Book Simoninにて、
Extrait des Normes de l'Iindustrie Horlogère Suisse
が購入できる。NIHSについての本。およそ80CHFくらいらしい。
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考えたこと
・アラビア文字を様式化した模様の美しさ
アルジャジーラというメディアがあるが、そのロゴが美しい。
これはイスラームのディーワーニー体という、日本語の草書体にあたるものらしい。
(*私はアルジャジーラの信奉者というわけではない)
同じものかはわからないが、代々木上原のモスクに見学に行った際も、
装飾書体の美観に圧倒された。
↑信仰が「方向」に向けられるために、偶像性がない点が、
日本との比較においてやはり興味深い。
物理的な場としては「空」である。美。
美しい。
余談:
イスラームの話をすると、すぐ
「ISに参加する危険な人物なのでは」というレッテルを貼られるが、
そもそも世界に16億人もイスラーム教徒がいる事実から考えれば
あんな集団は一部であることがわかる。
当たり前だがモスクの人々も善良な方ばかりだった。
(差別の始まりは無知と決めつけだ、という学びが体で実感できた)
記号と装飾の両立。
モスクの建築だけでなくコーランもそれを体現している。
非常に綺麗。
明らかに、イスラームにおいて数学といった抽象性が発達したことと、
文字の認識体系には関わりがあるはずだ。
この抽象性理解の一端にでも、人生のうちに触れてみたい。
装飾といえば、
たとえばプルタルコスの『英雄伝』のような重厚な装飾本が私は好きだ。
宗教信徒ではない私にとって、貴威を感じる書物というのは身近ではない。
したがって憧れの対象である。
というのも「価値」の凝縮体のような感じがあって、
それは時計にも通ずる印象があるのだ。
・パワーリザーブ機構はどう実現できるのか
休み休み考えている。
香箱車に直接機構を噛ませて、基本的には香箱の回転を減速させて伝達すれば、
ちょうどほどけきったときにゲージなり針なりが一周or端まで動くはずだ。
問題は、巻き上げの時インジケータをどうやって戻すか。
角穴車や香箱真あたりを工夫すればいけそうだが、
少なくとも輪列は2系統必要なはずである。
では具体的にどのように??というのは追い追い考えていく。
ログ 2017/12/14
やったこと
・時計学校に通っていらっしゃる方とお会いした
・パワーリザーブ機構の構造推測
・Traité de Construction Horlogèreとにらめっこ(chapitre11の式と格闘)
・ネット、辞書、手持ちの時計資料、歯車の資料をひたすら漁りながら式の理解に努めた(が、まだできていない)
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Chapitre11に入ってまずやることは、
香箱車と二番カナの歯数を計算で求めること。
これには理論パートの章で導いた式を使うのだが、
この意味するところがどうしても納得できない、理解できない故に
一日頭を悩ませた。様々な資料をひたすら漁ったが、結局今日は解決できていない。
ha:coefficient de la tête de dents って、歯末たけのことか?
(hだからhauteurの頭文字と踏んでいるが)
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知ったこと
・時計のトルクを考える上で最も注意すべきことは脱進機誤差
・フュゼの構造の理解(詳細下記)
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フゼー香箱(fusee wheel)
→フュゼは均力車と香箱に鎖を渡してある機構。
全巻き状態で香箱車のトルクが強い時は、均力車の上部の細い円筒部まで
巻き付いた鎖が、香箱を制御する。
→均力車で巻き上げを行う。香箱車に歯がないことが特徴。
→現在は主ゼンマイがS字になっていて、ゼンマイ自体の改良により全巻き時と
伸びきった状態でのトルクの差を解消しているが、
昔のゼンマイはその差が大きかった。
これを解消するために、
「全巻き時は均力車が回りにくく(軸に近い所ほど回りにくい)」
「ほどけるに従って均力車が回りやすい(軸から遠い所ほど回りやすい)」
という風にしてトルクを一定に保とうとした。
→以下、「フゼー香箱」についての参考。
均力車の軸が一番真となるシステムである。
ぜんまいは発生するトルクが全巻きに比べ、
24時間戻しでは10%〜30%減少する。
この現象はてんぷの振り角を変化させるから、
この変化を少なくするために均力車を経て
表輪列へ駆動トルクを伝えれば
振り角の変動を非常に少なくすることができる。
(小牧先生の『機械式時計講座』より引用)
関連する考察
・時計の世界において、トルクを一定に伝えるための努力が
色々となされてきていることがわかる。
認識が間違っているかもしれないが、現状持っている知識では、
だいたい3つのやり方に分類できるだろうか。
①歯車の歯形自体の工夫
(これは当たり前だが)
②ゼンマイ自体の工夫
S字ゼンマイを開発する
③なんらかのコンスタント・フォース機構の実装
⑴フュゼ香箱
⑵ルモントワール
⑶デッドビート (フランス語ではla Seconde Morte)
⑷コンスタント・エスケープメント
ジラール・ペルゴが開発。脱進機で一定化する。
↓ 動画
他にも色々あるだろう。
ログ 2017/12/13
やったこと
・担当者様とやりとり
・TdCHとにらめっこ(辞書引きつつじっくり読解)
・ケースのアイデアを出す
明日やること
・TdCH Chapitre11読み始める
(必要に応じて歯車や機械工学の本読む)
・Fusionで簡単にケースをつくってみる
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・デザインアイデア
時計デザインの基本の「き」もわからないがとりあえず描いた。
腕時計は高い工作精度が要求されるため、まずは懐中時計を想定している。
文字盤デザインは内部のムーブメントの各種パーツ配置と密接な関わりがあるので、
並行作業が必要か。
描いてみたものを因数分解すると、
タンブール風のケースとブルガリ風なベゼル?
エレガンスの構成要素は何か、という視点でいろんな時計デザインから
勉強していきたい。
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・Traité de Construction Horlogère
線を引きながら、辞書を引きながら、ゴリ押しで読んでいる。
Chapitre10の最初の方は色々と気をつけるべき項目が概論的に列挙してある。
→まずやることは歯車の位置決め。
①ムーブメントに合わせてざっくり位置をデッサンする
(この時、香箱車の入る窪みや受け、各種ビスや足の位置も想定)
②歯車の計算に入る
③歯車が他の歯車の軸に重なったりしていないか、
また縦横のクリアランスが適切か確認する
→この時、時針と分針がそれぞれ香箱車〜脱進機間の上に「直接Directe」あるか、
あるいは「間接的にIndirecte」あるかで決まりごとが出てくる。
①Mouvement à minute directe sans seconde
②Mouvement à minute directe et seconde directe décontrée
③Mouvement à minute directe et seconde directe au centre
⑴小さいムーブメントの場合
⑵大きいムーブメントの場合
④Mouvement à minute indirecte et seconde directe au centre
⑤Mouvement à seconde indirecte
→Chapitre10は読み終えたので、
次からChapitre11 Calculs et constructionを読む。
C10は主に概論的説明だったが、ここから実際の計算に入る。
→特定のムーブメントの実際の値を使った計算例が灰色枠内に載っている。
式の意味を理解するには、歯車についての勉強も並行してやる必要がある。
***単語リスト(Chapitre 10)***
à la suite de qc:〜の結果として
une pression:圧力
une concurrence:競争
constamment:絶えず
améliorer:改良する、改善する
en principe:原則として
mettre en oeuvre:利用する、用いる、実行する
favoriser:〜に恩恵を与える
une fois + 過去分詞:ひとたび〜すると、いったん〜すると
conventionnel:型通りの、慣例通りの
lors de ~:〜の際
un lancement:発表
concerner qc:〜に関わる
également:また、やはり
proprement dite:本来の意味での、厳密な意味での
consister à:〜することにある
concrétiser:具体化する
tant ~ que ...:〜と同様..も
soigneusement:注意深く
une incompréhension:無理解
une interprétation:解釈
par la suite:あとで
des exigences:要請、要求
divers(e)(s):様々な、いろいろな
hormis:〜をのぞいて(文章語)
une caractéristique:特性、特徴
dimensionnel:寸法の
amener à + inf:〜するよう仕向ける
tenir compte de qn:〜を考慮に入れる
mais aussi:ばかりでなく
un cadran:文字盤
réserve de marche:パワーリザーブ
des sous-traitants:下請け業者
un délai:期日、期限
le prix de revient:原価
des maîtres-mots:至上命題(たち)
économiser:節約する
une élaboration:念入りに作り上げること
précis:正確な
indispensable:欠くことのできない
adopter:採用する
un cahier des charges:仕様書?
des grandes lignes:アウトライン?
en vue de ~:〜のために
esquisser:〜を粗描する、雛形をつくる
le degré de liberté:自由度
faible:(自由度が)低い (faibleを使うのか)
sujet à:〜に陥りやすい、〜を免れ得ない
un plexiglas:プレキシガラス
rattraper:取り戻す、追いつく、回復する
un logiciel:ソフトウェア
attentif:注意深い
si possible:できれば
interchangeable:互換性のある
un composant:構成要素
le coupe:切削??切断?? 機械用語ぽい
la section:切断? これも機械用語か
un ébat:あがき、クリアランス
agir sur:〜に影響を及ぼす、作用する
durant:〜をとおして、〜の間中
préciser:明確にする
une précision:精度
une dimension:寸法
un dimensionnement:寸法決定
une fraise:フライス、フライスカッター (イチゴと同じ単語!)
un rendements énergétiques:エネルギー効率
un remontage:巻き上げ
un remontage automatique:自動巻き上げ
un remontage manuel:手動巻き上げ
un affichage:表示(装置)
une aiguille:針 (なるほど、aiguか)
un échappement:脱進機
un balancier-spiral:渦巻きテンプ
une mise à l'heure:時刻合わせ
un rouage:歯車
un roue:歯車
un roue de centre:二番車
un roue d'armage:巻き上げ車
un barillet:香箱車
un mobile:歯車、回転体
en fonction de qc:〜に応じて、〜によって
une ligne de force:骨組み
un engrenage:歯車
un jeu:(機械などの)作用、働き or あがき、クリアランス
une marche:歩度
une marche à suivre:方法、やり方、手続き
une coupe:受け皿、盃 (多分香箱車が入る窪みのことを言っているのだろう)
sommaire:簡単な、手短な
un balancier:テンワ
un piton:ヒゲ持
une virole:ヒゲ玉
une raquette:緩急針
une ancre:アンクル
un plateau:振り座
un renvoi:遊び歯車、中間軸 (小鉄車)
une chaussée:筒かな
une bascule:カンヌキ
un rochet:角穴車
un roue de couronne:丸穴車
une tirette:オシドリ
une tige de remontoir:巻き真
un pignon de remontoir:キチ車
un pignon coulant:鼓車
un tigeron:テンプやカナのホゾに繋がる小径軸部分
etc...
わからない単語
sécurités:機械設計に関係する用語だと思うのだが、
辞書でもネットでも見つからない。
推察するに「遊び」「隙間」的な感じ。
テンワと地板の端の間の距離をsで表した図あり。
2 ~ 4 décimales:精度の話で出てくる。少数桁がいくつあるか、
のことでいいのだろうか?
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実現可能性と理想の追求
自分が実装可能な設計にしないと「絵に描いた餅」になってしまうが、
かといってモチベーションが湧くような魅力がないテーマやモチーフでは
確実に途中経過で挫折するだろう。
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パワーリザーブ・インジケータの方式(ざっくりまとめ)
・指針式:扇型のやつ。George DanielsやF.P.Journeの時計によくついている。
・ディスク式:色のついたディスクを回転させてゲージみたいにしたやつ。
・リニア式:ラックを使ってインジケータを水平移動させるもの。省スペースらしい。
パワーリザーブ表示機構は、香箱車に直接噛ませるため、
トラブルがあると時計自体が止まってしまうリスクがある。
ここから、クロノス連載で基礎的な知識を吸収できる。
パワーリザーブインジケーター概論 | 高級腕時計専門誌クロノス日本版[webChronos]
実際にパワーリザーブ機構がどうやって実現されているのか、
折をみて研究。どうやって設計すればいいか。
ログ 2017/12/12
やったこと
・授業とバイトでほぼ一日終わってしまった
・TDCHを数ページ読み進めた
考えたこと
・時計のムーブメントデザインは、決まり事を守れば結構自由度が高そう?
・ゆえに、設計思想が重要になってくる
ログ 2017/12/11
やったこと
・TDCH読み進める
・用事の消化
やれてないこと
・担当者様再連絡
→ 計画固まってない
考えたこと
・フランス語力の劣化が激しいのである程度復習の必要がある。読めればいい。
・時間の使い方がゴミ。用事をこなすのはいいとしてもっと意識しないと設計が1mmも進まない。
知ったこと
・時計の各部の名前のフランス語名称を少しずつ覚えている。あと、技術用語。専門用語は、日本語よりも仏語の方が理解の助けになることがあったりするのかもと思った。例えば「公差」って、以前初めて聞いた時はパッと意味がわからない日本語だった(その時は数列と関係あるのかな、と思ってしまった)が、仏語で公差はtolérance。非常にわかりやすい。
明日やること
・計画書形にして連絡
・本引き続き読み進める
・歯車についてできたらまた勉強してまとめる
ログ 2017/12/10
起きたこと
・traite de construction horlogere届いた
・応援してくれる人に会ってきた
やったこと
・本の設計のパート読み始める
・お使いでプリンタを買いに行く
考えたこと
・何も作ってないのにお金だけ集めるのってどうなんだろう
・フランス語が思ってたよりは難しくなくてよかった
明日やること
・計画書考え直して書き直す
・担当者様に再連絡
・TCH読み進める