WATCHMAKING by Paul Bakkari

Born in Tokyo Japan, 1994.

ログ 2017/12/14

やったこと

・時計学校に通っていらっしゃる方とお会いした

・パワーリザーブ機構の構造推測

・Traité de Construction Horlogèreとにらめっこ(chapitre11の式と格闘)

・ネット、辞書、手持ちの時計資料、歯車の資料をひたすら漁りながら式の理解に努めた(が、まだできていない)

 

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Chapitre11に入ってまずやることは、

香箱車と二番カナの歯数を計算で求めること。

これには理論パートの章で導いた式を使うのだが、

この意味するところがどうしても納得できない、理解できない故に

一日頭を悩ませた。様々な資料をひたすら漁ったが、結局今日は解決できていない。

ha:coefficient de la tête de dents って、歯末たけのことか?

(hだからhauteurの頭文字と踏んでいるが)

 

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知ったこと

・時計のトルクを考える上で最も注意すべきことは脱進機誤差

・フュゼの構造の理解(詳細下記)

 

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フゼー香箱(fusee wheel)

 →フュゼは均力車と香箱に鎖を渡してある機構。

  全巻き状態で香箱車のトルクが強い時は、均力車の上部の細い円筒部まで

  巻き付いた鎖が、香箱を制御する。

 →均力車で巻き上げを行う。香箱車に歯がないことが特徴。

 →現在は主ゼンマイがS字になっていて、ゼンマイ自体の改良により全巻き時と

  伸びきった状態でのトルクの差を解消しているが、

  昔のゼンマイはその差が大きかった。

  これを解消するために、

  「全巻き時は均力車が回りにくく(軸に近い所ほど回りにくい)」

  「ほどけるに従って均力車が回りやすい(軸から遠い所ほど回りやすい)」

  という風にしてトルクを一定に保とうとした。

 →以下、「フゼー香箱」についての参考。

 

 均力車の軸が一番真となるシステムである。

 ぜんまいは発生するトルクが全巻きに比べ、

 24時間戻しでは10%〜30%減少する。

 この現象はてんぷの振り角を変化させるから、

 この変化を少なくするために均力車を経て

 表輪列へ駆動トルクを伝えれば

 振り角の変動を非常に少なくすることができる。

 (小牧先生の『機械式時計講座』より引用)

 

関連する考察

・時計の世界において、トルクを一定に伝えるための努力が

 色々となされてきていることがわかる。

 認識が間違っているかもしれないが、現状持っている知識では、

 だいたい3つのやり方に分類できるだろうか。

  ①歯車の歯形自体の工夫

    四角ではなくインボリュートサイクロイドにする

    (これは当たり前だが)

  ②ゼンマイ自体の工夫

    S字ゼンマイを開発する

  ③なんらかのコンスタント・フォース機構の実装

    ⑴フュゼ香箱

    ⑵ルモントワール

    ⑶デッドビート (フランス語ではla Seconde Morte)

    ⑷コンスタント・エスケープメント

      ジラール・ペルゴが開発。脱進機で一定化する。

      ↓ 動画

      

 

 他にも色々あるだろう。